筋膜リリースの目的と方法
筋膜リリースの目的は
筋を直接的に揉んだり、押圧などによって筋肉を緩める筋収縮の解除・解放ではなく、
筋膜とはでご紹介した組織の伸長と筋膜の基質の密度(粘稠度)を変化させ、コラーゲン線維と弾性繊維の配列変化を促すことです。
まず組織に伸張刺激を加えることで、弾性繊維が最初に引っ張られます。そして、その伸張力を持続させるように保持することで、ゆっくりと基質の密度が変化することによりコラーゲンの配列変化が生じ、組織の長さにも変化が生じます。
UP LIFE GALLERYでの筋膜リリース
評価
・まずは前屈や回旋など運動方向への制限を確認します。
その後、症状の問題となっていると考えられる箇所を以下の方法で手技を行います。
筋筋膜リリース
・肘や拳、手のひらを使い関節を動かしながら筋膜を伸長させる
・筋膜のラインによって見分け、痛みや歪みの原因となるであろう筋膜の癒着をゆっくりと溶けるような動きによって筋膜層へアプロ―する。
浅筋膜リリース(皮下組織)
・スキンローリング
皮膚は、身体のアンバランスによって起きる筋緊張等が長く続くと、栄養状態が悪くなります。そして、栄養状態が悪くなった皮膚は、弾力性を失い、非常に敏感になり少しの衝撃でも痛みを感じやすくなったりもします。
皮膚と皮下組織を一緒につまむと、お客様自身、痛みを強く感じる部とさほど感じない部がある事に気づきます。
皮膚と身体の深部との繋がりを理解するのは少し難しい方も多いですが、例で言えば怪我や痛みを発症した時、テーピングをするのも皮膚へのアプローチと言えます。スキンローリングと言うテクニックで皮膚を皮下組織から引き離すようにし、皮膚の滑動性を回復し、浅筋膜の柔軟性を高めます。
効果
筋膜の癒着や拘縮を引き起こすのは日常生活での姿勢の影響等から過度の筋収縮や筋機能不全です。それらを修正すれば筋膜は適切な姿勢や運動に伴うコラーゲン配列に戻ります。
これらを通し、筋筋膜性による痛みや関節の可動域制限などの症状へアプローチし、適切な姿勢や筋本来の柔軟性や出力を取り戻す事ができます。
しかし症状の多くが複合的な問題が絡み合って起きている為、筋膜が全ての原因をつくるとは一概にはいえませんが、筋膜をリリースすることで循環が改善し、筋肉や関節に十分な酸素が行き渡りはじめると疲れがたまりにくくなることも期待できます。